[jp]DeNAの作品が読めるのはヤングジャンプだけ? 怪盗ロワイヤルのコミック連載がスタート

以前にプレスリリースで「今春」と予告していたので、まだかまだかと思ってたのだけどいよいよ連載がスタートする。なんの連載かだって? それはmobageの人気ソーシャルゲーム『怪盗ロワイヤル』のコミックだ。

今日発売の集英社のヤングジャンプにコミック版の怪盗ロワイヤルが次週発売の同誌で連載がスタートすることが予告されている(しかも初回は巻頭カラーだ)。連載「怪盗ロワイヤル〜ロザルタの秘宝を追え」は、これも以前のプレスリリースどおり原作はたなかかなこ氏が手がけ、漫画家の別天荒人氏が作画するようだ。本人がTwitterでつぶやいている。

たぶん、TechCrunch Japanの読者の多くはこのコミックそのものやコミック化には興味はないかもしれない。でも、僕はDeNAのこういったメディアミックスの展開を以前からとても興味深くみていた。というのもインターネット企業でこういったことをうまくやっている会社はあまり少ないように感じるからだ。

たとえば、出版社であれば、人気コミックをテレビアニメ化し、映画化し、ゲーム化して、キャラクターグッズを販売し……といった手法を手がけてきて、1つの著作物からメディアミックスによって多様な収益を得ている。そして、これはもう何年もメディア企業の常套手段となっている。もちろん最近はそんなにうまくは行ってないケースも多いのかもしれないが、事例としてはきっと頭の中にいくつでも思いつくだろう。ゲーム業界だって、たとえば、任天堂のマリオ・ブラザーズやカプコンのバイオハザードはハリウッド映画になっているし、古くはセガのソニックなんかも米国でアニメになったりしている。そうそう大ゴケしちゃったけれどファイナルファンタジーの映画なんてのもあった。

こういった過去の事例から学んでいるのかDeNAはメディアミックスに積極的だ。たとえば、ケータイ小説の『王様ゲーム』はモバゲータウン時代(いまはエブリスタ)からの大人気コンテンツで、双葉社から書籍化され、コミック化もされていて(累計で110万部!)、この夏には映画化もされる。また怪盗ロワイヤルもコミック化の前には、エブリスタで実施した怪盗ロワイヤル小説大賞の受賞作が書籍化されている。一連の流れから想像すれば、怪盗ロワイヤルの映画化もきっと起こり得るだろうし、逆に王様ゲームのソーシャルゲーム化も起こり得る。

そして、これはたとえば他社の持つ人気キャラクターやコンテンツをゲーム化するといった場合よりも、高いライセンス料を払わなくて済むのでDeNAにとってみればおいしい話となる。

これらDeNAのゲームとは違う側面を作り上げているのがエブリスタで、NTTドコモとの合弁企業のサービスだ。モバゲータウンが持っていたユーザーが作成するコンテンツ(UGC:User Genrated Contents)の部分はエブリスタが継承している。ケータイ小説が代表的だがコミックやや中には俳句なども投稿されて、配信されている。そして、エブリスタは集英社や双葉社、角川といった出版社と組んで、コンテストや書籍化などを実施しているわけだ。集英社にはピンキー文庫というエブリスタ専用の文庫シリーズすらある。

つい最近、DeNAはエブリスタの会員が100万人を突破したことを発表している。この会員獲得に一役買っているのがドコモショップで、機種変更や新規契約に訪れるドコモショプの店頭でエブリスタの会員に入会してもらうように促している。興味深いのはエブリスタはサイトと連動したコミック雑誌(右画像)までつくっていて、ドコモショップの店頭で読めるようにしているのだ。

こうして、ぐるっとしたサイクルで、メディアミックスをやってのけて、最終的にはゲームでの利益を最大化しようというのがDeNAの手法なのだろう。きっとこれはDeNAのビジネスのあらゆるところに効いてくるのかもしれない。

でもこれはどんなインターネット企業でもできるという手法ではないだろう。ある意味、インターネット業界は既存のメディアを破壊し、うまく手を組むことがきなかった嫌われ者でもあった。それをうまくやってのけるDeNAに感嘆するだけでなく尊敬の念すら抱くよ。

そうそう、怪盗ロワイヤルのコミックについては同じく集英社の少女漫画誌Cookieでも連載がスタートするようだ。いま出ている7月号で予告されている。Cookieのほうは菅野紗由氏によるもののようだが、本人のブログでもそれについて書いているね。