米国デジタルメディア企業M&A、歴代トップ10
編集部注:ゲストライターのAshkan Karbasfrooshanは、WatchMojoのファウンダー・CEOである
5年前の2006年11月、私は歴代インターネット・デジタルメディアM&Aトップ10を発表した。そこにはeBayによる15億ドルのPayPal買収、Yahooの16億ドルによるOverture買収、そして1998年のMicrosoftによる4億ドルのHotmail買収などが含まれていた。あと、News Corpによる5億8000万ドルのMySpace買収も。笑ってはいけない。あのリストは、Googleに関する9億ドルの巨額契約の1ヵ月後に発表したものだが、当時私はGoogleが著しくもらいすぎだと思っていた。もちろん、時が変わればリストも変わる。そこでリストを改訂することにした ― そして、もちろん私は、255ページにわたるCrunchBaseの買収セクションに目を通した。
以下に改訂版、デジタルメディアM&Aトップ10を、逆順に紹介してある。読者の選んだトップ10があればコメント欄で知らせてほしい。
評価基準
- リストとは主観的なものであり、これも例外ではない。
- 米国企業の契約である。
- これは「科学的なリスト」ではない。私の経歴と経験は検索、ビデオ、オンライン広告が中心なので、当然偏りがある。
- 高額かどうかは相対的だが、払いすぎでないことは重要な条件である。前回のリストを発表した時に、Fred Wilsonが言ったように、「11件のうち7件は、2001~2004年の「インターネット低迷期」に起きている。最高の買い時は誰も買わない時だというのは常に正しい。」
- どんな取引でも人間が重要である。だから「acq-hire」[acquire + hire、会社と共に人材を買収する]は、収益を拡大させる契約よりも価値が高いこともある。
- 競合つぶし。もちろん結構!
- 安く買って高く売る? すばらしい。
- 親会社/買収主が一件の契約で全く新しい市場に参入できる? 注目の的だ。
- 非公開会社の買収は対象外。そうでなければ、Hellman & Friedmanが、Doubleclickを31億ドルでGoogleに売る前に、11億ドルで買収した一件はトップ近くにランクされる。
- 前回と同じく、部分的買収は含めていない。Googleが10億ドルでAOLの5%を買った件(非常に賢明な守備的行動だった)が前回のリストにないのはこのためであり、Sliver LakeとAndreessen HorowitzによるSkypeの70%買収も改訂版に岸まれていない(2年以内にMicrosoftに80億ドルで売り抜けたことを考えれば、第1位相当だ)。MicrosoftによるFacebookの1.6%所有も、今となっては掘り出し物。
- 2011年現在の存在感があること。例えば、AOLがAIMを守るためにICQを買収して、インスタントメッセージを強化したのは賢い動きだったが、現在AIMの市場シェアは1%なので、もはやあの契約は共感を呼ばない。
- 最後に、しかし重要なこと。あらゆるリストがそうであるように、重要なものが抜けているかもしれないので、是非知らせてほしい。
10.Microsoft、Hotmailを4億ドルで買収(1998)
9.AOL Time Warner、Advertising.comを4億3500万ドルで買収(2004年6月)
8.Amazon、Zapposを約9億2800万ドルで買収(2009年7月)
7.CBS、CNETを18億ドルで買収(2008年5月)
6。Google、Doubleclickを31億ドルで買収(2007年4月)
5.Google、Applied Semanticsを1億200万ドルで買収(2003年4月)
4.Yahoo!、Overtureを16億3000万ドルで買収(2003年7月)
3.eBay、Paypalを15億ドルで買収(2002年)
2.Google、Androidを5000万ドルで買収(2005年8月)
GoogleのM&Aチーム自身が、Androidを史上最高の買い物だと考えている。Googleの幹部、David LaweeがStanford Accelシンポジウムで、この買収についてGoogleの「史上最高の買い物」だったと言っている。AndroidはGoogleにとってわずか5000万ドルしかかかっておらず、Androidのファウンダー、Andy rubinがかつて、Danger Inc.というモバイル機器メーカーを設立し、RIMやAppleに挑もうとしていたことを考えれば、たしかにトップに値する。
1.Google、YouTubeを16億5000万ドルで買収(2006年10月)
David Laweeはこれを読んで困惑しているかもしれない。GoogleのM&Aチーム自身が「史上最高の買い物」と言っているものを差しおいて、YouTubeを選ぶことをどう説明できるのかと。
GoogleはYouTubeを16億5000万ドル相当の株式で買収し、最初の数日間で時価総額は20億ドルを大きく上回った。この買収によって、Googleは唯一の脅威を打ち消した。YouTubeは世界第2位の検索エンジンであった。検索市場シェア1%毎に10億ドルの価値があるとする意見もある。
これは守備的行動だっただけではなく、YouTubeはGoogleに、ディスプレイ広告参入の機会を与えた(これはDoubleclick買収の6ヵ月前である)。そして新たに加わった数十億ベージビューを利用して、Googleは検索広告をビデオのオーバーレイとして表示した。現在Googleは、検索、ビデオ両方における誰もが認める王様であり、Androidによって、モバイルでも先頭に立つ可能性がある。
しかし、たとえAndroidがなければ、Googleは代わりを見つけていたかもしれない(社内にせよ社外にせよ)。〈今の〉Androidを作ったのはGoogleである。しかし、YouTubeは買収時点で、史上最も爆発力のあるスタートアップと考えられていた。Sequoiaは同社にわずか1150万ドルのベンチャー資金しか注入していなかった。YouTubeの前には、Facebookが脅威となったのと同じ意味で、Googleの脅威となるべき花道が作られていた。YouTubeの買収によってGoogleは、オンラインビデオを焦土化してしまった。
画像提供:Shutterstock/ Ilona Baha
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(翻訳:Nob Takahashi)


