Disrupt北京のスタートアップバトルで優勝したOrderWithMeが日本進出に向けて市場調査中
昨年10月に北京で最初に開催されたTechCrunch Disrupt Beijingのスタートアップバトルで優勝したのは、中国のシードアクセラレーター、China Accelerator出身のOrderWithMeだった。その詳細については、ぼくらも熱心に翻訳したわけじゃないから、どんな事業をしているのかは日本のみんなは知らないかもしれない。実は日本の独立系ベンチャーキャピタルでInfinity Ventures Summitの開催で知られるInfinity Ventures Partnersも昨年の12月に投資したことを発表している企業だ。このOrderWithMeのCo-FounderのJonathanとDanielleのJenkins夫妻が来日し、彼らの仕事について話を聞く機会を得たので紹介しておこう。
OrderWithMeは簡単に言えば、小売店向けの共同購買サイトで、主にアパレル商品やファッション雑貨なんかを扱っている。その購買先は中国の工場だ。ただ、一般に小さな小売店が仕入れる小ロットの仕入数だと生産ロットが少なすぎて直接、中国の工場では生産してくれない。だから、複数の店舗が共同で購入することで、中国の工場から直接買い付けできるようにしている。
そもそもなぜこんなビジネスをスタートさせようとしたかといえば、CEOのJonathan Danielleはかつて中国への留学経験があって、帰国後、彼が23歳のときに地元テキサスでブティックを開いたんだそうだ。その商品は中国から直接買い付けたものだ。もちろん、彼の留学経験を活かしてのことだ。Danielle曰く「生産されたものを4ドルで買い付けて40ドルで売る」というビジネスをしていたらしい。仕入れ値は10分の1なんだから儲からない訳はない。だから、1店舗から一気に9店舗まで増やしたのだけど、ミニマムロット数が大きいものだから、ものすごい数の在庫を抱えなければならなかった。しかも、9店舗もきりもりすると、それまで出向いてやっていた中国での検品なんかに手が回らなくなってしまって、結局、ブティックはうまくいかなくてなって、店をつぶすことになる。
だから、この経験を活かして始めたのがOrderWithMeということだ。
OrderWithMeは中国にある30の工場と提携している。そして、この工場に生産を注文して、検品から最後のデリバリーまでの面倒を見てくれる。実はこのロジスティクスの部分、工場から(彼らが市場にしている米国の)店舗まで届ける手続きというのも、中国の業者と普通の人がやると大変なことなんだとか。だから、彼らがそこまで面倒を見ている。
中国のビジネス向けの売買ではAlibabaがあるけれど、Danielle曰く、その中には実態のわからない業者もまぎれていて、取引が信用できるかどうかはサイトをパッとみただけではわからないんだそうだ。彼が紹介してくれた笑い話では、Alibabaの中に、「中国からEMSで配達します」というふれこみのサイトがあったのだけど、そこには救急車の写真が掲載されていて、EMSがなんだかわかっていないだろうというところもあった(EMSには救急医療班の意味がある)そうだ。そういう情報だとアメリカ人から見れば信用できないものに写ってしまう。
なので、OrderWithMeはアメリカ人が経営する(アメリカ人にとって)顔が見える中間業者になろうというわけだ。
一方で、市場となる米国内の小さな町の小売り店にとってもこれは非常にありがたい話だ。
いまや中国は世界の工場となって、大手の企業はこぞって中国で生産して、世界中で販売している。高級ブランドも含めてファッションブランドの中国生産化が起きているのは誰もが知ることだ。大手の企業は、自社の販売店を全米で展開している。たとえば、GAPなんかがその典型例だ。
町の小売り点は高い中間マージンを支払って中国から仕入れるしかなく、4ドルで工場から買ったものも、中間業者を通せば、最終的に20ドルで仕入れることになり、それを40ドルで売ると利益が少なくなる。そうなると利益面でも負けるし、値引きを考えると価格競争でも大手企業に負けてしまう。だからOrderWithMeのような業者の登場はうれしかったわけだ。
日本ではこういった中国の工場に直接買い付けて検品から配送までの面倒を見る業者はたくさんあるそうだから、珍しい話ではないのかもしれない。でも、Disruptで優勝した際に報道されたことで、世界中から問い合わせがあったそうだから、こういう業態に需要はあるのかもしれない。
現在、彼らは小売店向けにMiloとRosalynnという独自のブランドを展開している。そして面白い取り組みもあると教えてくれた。それはEtsyで自身のアクセサリーを販売する人気のデザイナーとコラボレーションして、デザイナーがデザインした商品を中国で大量に生産して、米国市場で販売するというビジネスモデルだ。Etsyはそもそも個人で生産しているデザイナーやアーティストたちだから、大量にはものは作れない。それを一緒に組むことで解決する(Etsyとの提携ではない)。
OrderWithMeは日本での展開も考えているようだ。米国との取引では黒字化が見えてきているようだが、これがどこまで広がるかはまだまだ未知数だが面白いビジネスではあるね。
OrderWithMeは間もなく新しいサイトをオープンする。その新しいサイトデザインの一部をわれわれ向けに見せてもらったから、下に紹介しておこう。




