クラウドの罪

編集部注:Alexander Haislipは、クラウドベースのサーバー自動化のスタートアップ、ScaleXtremeのマーケティング担当幹部で、Essentials of Venture Capitalの著者。Twitterアカウントは@ahaislip。

初めにクラウドがあった。あれは良かった。しかし、時間と共にそれは驚くほど高くなることがあった。もし課金サイクルの終わりに「何だこれ!」と言ったことがあるなら、あなたはこの仮想エデンの園に囲いを付けることを考え始めているかもしれない。しかしあなたはすぐに、世のクラウドの悪行が撲滅困難であることを知る。それは人間の本性に深く浸透し、セルフサービスIaaSの提供と不透明な課金プロセスを通じて正体を現す。われわれが見てきた罪の数々を以下に紹介する。

インスタンスの大食漢:ダブル・クオーターパウンダーと特大のソーダがあるのに、クオーターパウンダーを買うだろうか。IT管理者も人間であり、サーバー構築にあたって彼らもこの平凡な弱点に陥る。バージニア州の「ミディアム」Linux EC2インスタンスは、マイクロ・インスタンスより8倍高い。そのインスタンスを丸一年走らせれば、マイクロ・インスタンスに比べて1225ドル余計にかかる。

アドオンに貪欲:マシンにサービスを追加し始めると、たちまちコストが上昇する。大型クラウドプロバイダーが提供するパッチ管理オプションを追加することを考えてみよう。パッチ機能を含むパッケージを1台のサーバーで使いはじめるだけで月額100ドルかかる。その後はサーバー1台1時間につき0.12ドルで、これが大したことないように見えるのは月額87.60ドル、年間1050ドルと気づくまでだ。自分でクラウドパッチをデプロイするほうがずっと安上がりだ。

クラスター欲:マシンをインスタンス化したくなるのは自然な欲求だ。しかし、それは常に抑制されるべき欲望だ。同じ仕事をするマシンを増やしすぎることは無駄を生みかねない。柔軟な予算管理をすれば誰かがやりすぎたことを知って熱を冷ますのに役立つ。それも結構だが、予算を超過する新たなインスタンス化を防止する強固な制限の方が、はるかに強力だ。もしその技術があれば。

無言の怠慢の罪:あなたの部下たちは、マシンを立ち上げるたびにあなたに報告するだろうか。私はしていなかったと思う。承認を得るより、許しを請うほうが簡単だ。クレジットカードが絡むときは特に。何が動作しているかを見るだけでも、厄介なインスタンスを除去する時には大いに役立つ。アクセスを管理し、承認されたアプリケーションだけが実行していることを確実にしておくことは、誰からも報告のない未承認インスタンスを突き止めるために重要だ。

終了の怠慢:マシンを立ち上げるのは楽しいが、終了に手を抜くことは罪である。ある専門家たちの調査によると、パブリッククラウド・インスタンスの15~40%が任意の時点でアイドル状態にあるという。それらは累積する。大型のEC2インスタンスを10個立ち上げ、必要な仕事をさせそのまま月末まで走らせたとする。何もしないコンピューティングパワーが2304ドルに達する。全部のマシンを統一して監視するしくみがなければ、怠け者を見つけられるチャンスは、電灯を消し忘れたり、便座を上げっぱなしにした人を見つけるようなものだ。

コンピューティングの羨望:汝、隣人のコンピュータークラスターを羨むべからず。大企業で費用が膨らむのは、他の運用グループが手に入れて共用させてくれないリソースを、別のグループが羨み始めた時だ。人々は自分の知っている他のデベロッパーたちに対抗するためだけにインスタンスを立ち上げ始める ― 本来のニーズに基づいて設定するのではなく。バカバカしく聞こえるかもしれないが、大企業では頻繁に起きていることだ。

クラウドのプライド:ご理解いただけただろうか。パブリック・クラウドの様々な罪を克服し、経費の抑制ができるようになった頃、それは再び企業内に戻ってプライベート・クラウドを立ちあげコストを削減する時期かもしれない ― Zyngaがまさにそうしたように。移植性を考慮した設計は、こうした移行が必要になった時に役立つだろう。

画像提供:Soffront Blog

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)