Facebookとユニバーサルミュージックの提携によって、利用者は動画内で許諾された音楽を使うことができるようになった
Facebookは本日(米国時間12月21日)、ユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG)との間で、Facebook、Instagram、Oculusなどのユーザーたちがアップロードしてシェアする動画の中に、ユニバーサルミュージックの音楽を利用することができようにする、というライセンス契約を結んだことを発表した。また今回の提携により、FacebookはMessengerも含むプラットフォーム間で新しい「音楽を使った製品」を提供できるようになるという。
契約条件は明らかにされていないが、大手音楽会社がFacebook上でビデオやその他のソーシャル機能に対して、そのカタログをライセンスするのは初めてのことだ。
これにより、Facebookはユニバーサルミュージックグループと協力して、アーティストの作品が、Facebookとその関連プラットフォーム上でで保護され、補償されることになる。これは、さまざまな方法で行われる。私たちの理解では、そこにはFacebookが、この先実験的なソーシャルミュージックの機能を立ち上げていく権利も含まれているようだ。
「音楽とコミュニティービルディングの間には引き合う関係があります。私たちはそれをUMGと協力して、Facebook、Instagram、Oculus、そしてMessengerの中に取り込むことができる機会に興奮しています。音楽愛好家、アーティスト、そしてライターたちは、私たちが音楽と動画を通して創造性、つながり、そしてイノベーションを開放することで、とても居心地よく感じて貰えるようになるでしょう」と語るのは、FacebookのMusic Business Development and Partnershipsの責任者Tamara Hrivnakである。
「FacebookとUMGは、共に、音楽会社とソーシャルプラットフォーム間の協力のためのダイナミックな新しいモデルを作り出して行きます。こうすることで、ファンのための音楽のソーシャル体験を向上させながら、レコーディングアーティストやソングライターたちの関心を高めることができます」と、ユニバーサル・ミュージック・グループのデジタル戦略副社長のMichael Nashは付け加えた。「この提携は、イノベーションと音楽クリエイターへの公正な報酬が、相補的であること、共に繁栄することができることを示すための、最初の重要なステップなのです。私たちは、Facebookが、アーティストたち、ファンたち、そして世界に偉大な音楽を届けるために投資するすべての人たちに恩恵を与えてくれる、健全な音楽生態系に対する重要な貢献者になってくれることを期待しています」。
同社は、この取引の結果、どのような「音楽を使った」製品が登場するのかに関しては詳しくは述べていないが、その動きは主に、アーティストがファンたちとのつながりを深めることに重点を置いているように見える。特にファンたちにお気に入りの音楽を自分たちの動画に使わせたり、お気に入りの音楽をシェアさせたりすることがその中心となる。アーティストたちはまた、他の方法で音楽を使って、コミュニティに関わり育てていくこともできる。
この契約がFacebookのビデオ活動にどのように役立つかを想像するのは簡単だ。今年は動画のための専用ポータルFacebook Watchが登場し、動画に対するさらなる注力が行われた。
このパートナーシップは、音楽とソーシャル空間を統合して活動する他のハイテク企業たちに、Facebookが挑戦するのにも役立つ。例えばライバルの1つはSpotifyだ。同社は今年、ストリーミングサービス上でのプレゼンスを管理し、リリースをトラックし、ファンたちと繋がるための一連の新しいツールを提供した。またMusical.lyも同様のライバルだ。自分自身の口パクミュージックビデオが作れることで多数の若いファンを引きつけたこのサービスは、中国の大手ソーシャルメディアBytedanceに8億ドル以上で売却された。
今回の買収により、Facebookは、 新しく立ち上げられた”Sound Collection”の内容を、クリエイター向けに、有名な曲で埋めることもできるようになった。
ユニバーサル・ミュージック・グループは既に、SpotifyやYouTubeなどの他の企業と協力しているため、ソーシャル企業と協力することは前例のない話ではない。(Varietyには契約に関するUMGからの内部メモが掲載されているが、その中にはプレスリリース以上の詳しい情報は含まれていない。これは主にパートナーシップを鼓舞するためのものだ)。
私たちの問い合わせに対して、Facebookは、新しいソーシャル機能の計画についての、より詳細な情報を共有することは拒否した。
同社は、新しい野心をもって、これからも似たようなパートナーシップを結ぶ計画を温めていることだろう。ユニバーサル・ミュージック・グループのライブラリーを宣伝することで、音楽販売、商品販売、コンサートチケット売上などを増やすことができることを示せたならば、新たなパートナーシップも結びやすくなるだろう。
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(翻訳:sako)