Googleドライブに暗号化サービス導入――Virtruと提携発表
企業及び個人ユーザー向けメール暗号化サービスで知られるVirtruは今日(米国時間7/25)、Googleと提携したことを発表した。これによりVirtruの暗号化テクノロジーがGoogle Driveで利用できるようになる。
数年前にはVirtruはGoogleの承認を得ないままGmailに自社の暗号化サービスを接続していたが、最近ではGoogleもVirtruの方式に価値を認め、全面的に協力するようになっていた。
Virtruの新しいData Protection for Google DriveはGmail向け暗号化サービスをGoogleドライブのファイルに拡張する。ファイルはクラウドにアップロードする前に暗号化される。万一ファイルが組織などの外に漏れても暗号化されたままなので安全だ。暗号化鍵はユーザーが全面的な管理権限を持つためGoogle自身もファイルの平文の内容にはアクセスできない。管理者は暗号化キーだけでなく、個別ファイル、フォルダー、チームドライブに誰がアクセスできるかを管理することができる。
VirtruのサービスはTrusted Data Formatを用いてる。これは同社の共同ファウンダー、CTOのWill AckerlyがNSA職員だった時代に開発したオープン規格だ。
Virtruはプログラマーのハックとして始まったプロジェクトだが、 今回の提携で Googleの G Suiteのデータ保護のための唯一のパートナーとなった。共同ファウンダー、CEOのJohn Ackerlyは私の取材に対して、「われわれは目指していたこと達成できた」と述べた。実際 VirtruのエンジニアはGoogleと密接に協力して開発を行っている。John AckerlyはまたEUのGDPR(一般データ保護規則)の施行に伴い、データのプライバシーに関して再び関心が高まっていることが、特にヨーロッパで、多くのビジネスチャンスを生んでいると述べた。Virtru自身、ヨーロッパにオフィスを開設し、現地のカスタマーサポートに当っている。トータルで8000の組織がVirtruのサービスを利用しているという。
なお今回Googleとの提携が発表されたが、同社はMicrosoftのOffice 365についてもメールの暗号化によりデータ保護をサポートしている。
画像:Jaap Arriens/NurPhoto via Getty Images / Getty Images
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)