「Qiita」がエンジニアの転職支援サービスを今春開始へ
この業界にいると、エンジニアの採用に苦戦しているという声をよく耳にする。
アプリやWebサービスを開発しているスタートアップにとって、技術力が競争優位性や会社の成長速度を高める要因ともなり得るから、どこもエンジニア採用には必死だ。TechCrunchの資金調達ニュースを見てもらってもそれは明白で、多くの起業家が調達資金の使途に「開発体制の強化」をあげている。
そんなニーズに応えるべくエンジニア採用にフォーカスした採用サービスやエージェントも複数存在するけれど、この春また新たにエンジニアを対象とした転職支援サービスがローンチされるようだ。
開発元はエンジニアの技術情報共有サイト「Qiita」で知られるIncrements(インクリメンツ)。同社は3月5日、エンジニアによるエンジニアのための採用サービス「Qiita Jobs」のβ版を今春リリースすることを明らかにした。
QiitaについてはTechCrunch読者の方にはお馴染みのサービスだろう。2019年1月時点で同サービスの月間アクセス数は560万UUを突破。チーム内情報共有ツールの「Qiita:Team」も500以上のチームが導入する。これらのサービスを手がけるIncrementsが2017年にエイチームのグループ会社となったことは以前紹介した通りだ。
さて、そんなIncrementsが新たに始めるQiita Jobsはどんなサービスなのか。同社ではその特徴として「Qiitaアカウントを用いること」「企業ではなく、チーム単位であること」「現場のエンジニア主導であること」の3点をあげている。
特にユニークなのは企業ではなく、実際に一緒に働くことになる開発チームに焦点を当てていること。同サービスでは開発チームが主体となって所属メンバー、開発中のプロダクトなどの情報をサイト上に掲載。採用活動中もチームメンバーと就職活動中のエンジニアが直接コミュニケーションをとる。
双方がQiitaアカウントを利用することが前提になるので、Qiita上で発信している情報を基にお互いの思考や興味分野、技術特性を把握しやすいのもポイントだ。Incrementsではプレスリリース内でQiita Jobsの概要について以下のように言及している。
「エンジニアの就職に関し、希望する会社へ入社しても、チームが合わず辞めてしまう現状や、採用側の企業も時間をかけて雇用した人材が長続きしないという問題がありました。エンジニア個人と開発チームが自己開示を対等に行うことで、お互いの興味や技術特性を把握し、求職者と採用企業の両者が、最適な職場環境をマッチングすることを可能にしました」
上述したようにQiita Jobsは今春にβ版をリリースする計画。同社のサイトより事前登録が可能だ。