自動運転レベル3に欠かせない500mの遠距離計測が可能な3D-LiDARセンサーをパイオニア子会社が発表
パイオニアスマートセンシングイノベーションズは1月8日、500mの遠距離計測が可能な3D-LiDARセンサーの試作機を米国ラスベガスで開催されているコンシューマー・エレクトロニクス・ショー「CES2020」に出品したことを明らかにした。同社は自動運転関連事業を承継する新会社として2019年10月に設立された、パイオニアの連結子会社。
同社は、キヤノンと条件付き自動運転である自動運転レベル3以上の実現に不可欠とされる「3D-LiDARセンサー」を共同開発しており、CESにはパイオニアのMEMS(Micro Electro Mechanical Systems、微小電気機械システム)ミラーを用いたスキャン技術とキヤノンの光学技術を用いた波長905nm量産モデルも展示、。3D-LiDARセンサーは、両社のコア技術をベースに韓国SK Telecom(SKテレコム)の送受信技術を加えることで、計測距離を大幅に伸長させた波長1550nmのモデルとなり、500mの遠距離かつ高解像度な計測が可能とのこと。具体的には、SKテレコムが開発した、1550nm波長レーザー送信モジュールと単一光子検出器を利用する。
2020年秋から量産を開始する、準広角短距離用、中距離用、長距離用、広角タイプのモデルに、今回の遠距離モデルを加えることで、セキュリティ、交通監視用途や、路側センサーなどのモニタリング用途、自動運転車両における遠距離計測など、さまざまな市場、お客様のニーズに対応することが可能なるという。各LiDARセンサーを使用して、物体検知や自車位置推定などを高精度に行えるソフトウェアも開発・提供する。
パイオニアスマートセンシングイノベーションズは、今後も3D-LiDARセンサーの高性能化、小型化、ソフトウェアの開発を進め、2021年以降の実用・商用化を目指す。