【WWDC20速報】iOS 14新機能公開、App Libraryやウィジェット、翻訳機能などが加わる
アップルは米国時間6月22日、開発向けイベントWWDC20の基調講演で、次期iOSであるiOS 14の新機能を発表した。WWDCでデベロッパー向けのプレビュー版が配布され、正式バージョンは例年同様9月ごろになるようだ。
App Library
iOS14ではまず、多くのアプリをインストールした場合に画面の視認性や操作性が低下する問題を解消するために、App Libraryと呼ばれる新機能が加わった。従来も複数のアプリをフォルダーにまとめてホーム画面に配置できたが、App Libraryでは専用画面でジャンル別に一覧できるほか、検索も可能だ。複数のホーム画面から一部を非表示にすることも可能だ。
Widgets
AndroidではおなじみのWidgets(ウィジェット)がiOSでようやく使えるようになった。具体的には天気予報やスケジュールなどの情報をホーム画面に固定配置できるようになり、わざわざアプリを開かなくても必要な情報をホーム画面上でチェックできる。
Picture in Picture
macOSなどのでおなじみのPicture in Picture(ピクチャー・イン・ピクチャー)機能がiPhoneに最適化された。再生中の動画を縮小表示してホーム画面や別のアプリ画面の上に重ねて表示できる。ドラッグで表示位置の変更や表示サイズの拡大・縮小が可能だ。画面の端に寄せて一時的に収納することもできる。
Siri
音声アシスタントのSiriはUIが進化した。従来は「ヘイシリ」とiPhoneに呼びかけると専用の画面に切り替わったが、iOS 14ではホーム画面やアプリ画面上でSiriがそのまま利用可能になる。具体的には、天気やスケジュールなどをSiriに尋ねると画面上部に該当する情報を表示してくれる。
Translate
待望の翻訳機能も加わった。iOS14では、英語、北京語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、日本語、韓国語、アラビア語、ポルトガル語、ロシア語の相互翻訳が可能になる。翻訳精度については現時点では不明だが、メッセージなどの短文のやり取りには威力を発揮しそうだ。
メッセージ
「メッセージ」アプリでは、特定の人物をピン留めして呼び出しやすくする機能やグループ化機能が搭載される。また、Memoji(ミー文字)の種類が大幅に増え、さまざな人種や容姿を表現できるようになった。実際の会話画面では、特定のメッセージ(吹き出し)に対して明示的に返信できるインライン・リプライ、グループチャットなどで特定の人物を明示してメッセージを送るメンションが利用可能だ。
マップ
「マップ」アプリでは、Googleストリートビューのような実際の現地の写真を表示しながら場所を調べられるようになる。まずは、英国、アイルランド、カナダで利用可能だ。Guide(ガイド)機能も加わり、飲食店や名所などの情報をより簡単に呼び出せるようになる。また、Cycling directions(サイクリングの道順)は、その名のとおり自転車移動に適した経路を検索してくれる機能。勾配などのデータもチェック可能だ。こちらは米国のニューヨーク市、ロサンゼルス、サンフランシスコ・ベイエリア、上海、北京で利用できる。ほかの地域についても今後拡大予定となっている。自転車だけでなく、電気自動車向けのEV routingと呼ばれる機能もある。同機能では、充電ステーションの場所を含んだ経路などを検索可能だ。
CarPlay
iPhoneをカーナビ化するCarPlayにも画期的な新機能が加わる。BMW 540iなどの対応車とiOS14搭載のiPhoneを組み合わせることで、iPhoneを使った自動車のロック解除が可能になる。つまりiPhoneが自動車の鍵になるわけだ。スマートロックのように、自動車の鍵を他人とシェアすることも可能だ。同機能を利用するには、Apple U1チップを搭載するiPhone 11シリーズなどが必要。
App Store
App StoreにはApp Clipという機能が搭載される。Safariや「メッセージ」アプリ、「マップ」アプリ内のリンク、NFCやQRコードなどから簡単にアプリをインストールできるようになる。具体的には、飲食店などの店頭でNFC端末を用意することで、自社アプリのインストールを来店者に画面上で促すことなどが可能だ。自社アプリがない場合でも、飲食店を検索できるYelpなどのアプリに含まれる、特定の店舗の情報をユーザーに提示するという方法もある。