Google、Intel、Dell、GMなどテックと自動車業界のCEOたちが世界的なチップ供給不足問題で米政府と討議

ITと自動車ビジネスのトップが米国時間4月12日にホワイトハウスに集まり世界的なチップ供給不足問題について討議した。

リモートで参加したのはGoogle、Intel、HP、Dell、 Ford、GMのCEOで、テクノロジーと自動車産業のバーチャルサミットとなった。テーマは世界的な半導体のサプライチェーンの維持についてだ。政権側からはJake Sullivan(ジェイク・サリバン)国家安全保障問題担当顧問、Gina Raimondo( ジーナ・ライモンド)商務長官が参加し、Brian Deese(ブライアン・ディーズ)国家経済会議委員長が議長を務めた。Joe Biden(ジョー・バイデン)大統領も短時間顔を出した。

IntelのCEOであるPat Gelsinger(パット・ゲルシンガー)氏は、サミットに先立って、米国は半導体生産量を増やし、国内で販売されるチップの3分の1を米国産とすべきだと述べている。Intelは自動車メーカー向け専用チップを国内自社工場で製造することを検討しており、これによりサプライチェーンにかかる圧力を軽減できるとしている。

カーエンタテインメントシステムからスマートフォンまで、あらゆる機器に使用されている集積回路部品の供給不足が続いており、数カ月前からこれが消費者にも感じられるようになっている。ゲーム機やグラフィックカードの新製品は需要に追いつかず、発売後数カ月経っても品薄状態が続いている。しかも現在、あらゆる機器には半導体チップが組み込まれており、供給不足は自動車やゲーム以外の産業にも深刻な影響を与えている。

バイデン大統領は2021年2月に半導体チップの供給問題を解決するための大統領命令に署名している。この行政命令により、電気自動車に搭載される高度なバッテリーをはじめ、半導体やハイテク製品に必要なレアメタルや医薬品の原料などの経済に大きな影響を与えるサプライチェーンについて100日間でレビューを行うとこととされた。

バイデン大統領は「チップ不足により自動車の生産に遅れが生じ、米国の労働者の労働が阻害された」と述べた。また、パンデミックの初期にはPPE(マスクなどの個人用防護具)の供給不足が生じ多数の医療従事者が適切な保護具なしに働かざるを得い状況が生まれたことを指摘した。

またこの行政命令は、さらに長期的なサプライチェーンの見直しをも要求ししている。現在のサプライチェーンに関する問題を軽減するために、何が実行可能なのかを政府とビジネスリーダーが協力して検討することになる。

サリバン国家安全保障問題担当顧問がサミットに参加したことでも明らかなように、テクノロジー部品のサプライチェーンの問題は中国との緊張関係に大きな関連を持つものだ。バイデン大統領は重要ハイテク部品のサプライチェーンに大々的は見直しを行う理由の1つとして「長期的な国際競争力」の低下への懸念を挙げている。

Mark Warner(マーク・ウォーナー)上院議員(民主党、バージニア州)は、防衛技術における半導体の重要性を指摘し「半導体の供給不足は経済上の問題であると同時に国家安全保障上の問題としても重要」と指摘した。

ワーナー上院議員は、2020年夏にJohn Kane(ジョン・コーニン上院議員(共和党、テキサス州)と共同提出した半導体生産促進決議を例として、米国の自立と中国の影響力の抑制に向けた立法措置の必要性を強調した。

バイデン大統領は以前、「経済にとって重要な半導体の供給が不足している現状を打開するために努力し、現在直面しているボトルネックを解決するために生産量を増やすよう同盟国にも政治的に働きかけねばならない」と述べている。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:半導体サプライチェーンジョー・バイデンアメリカ

画像クレジット:Mick Ryan

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:滑川海彦@Facebook