中小企業やフリーランサーの管理業務を支援するHoneyBookが約170億円を調達

スモールビジネスとフリーランサー向けに、サービスベースのクライアントエクスペリエンスと財務管理プラットフォームを開発したHoneyBook(ハニーブック)は米国時間5月4日、Durable Capital Partners LPがリードしたシリーズDラウンドで1億5500万ドル(約170億円)を調達したと発表した。
この資金調達には、Tiger Global Management、Battery Ventures、Zeev Ventures、01 Advisorsの他、既存の投資家からNorwest Venture PartnersとCiti Venturesも参加した。サンフランシスコを拠点とするHoneyBookの評価額は10億ドル(約1090億円)を超えた。2013年の創業からこの最新ラウンドまでで2億4800万ドル(約270億円)を調達した。2019年3月に調達した2800万ドル(約31億円)と比べると、シリーズDは大きな飛躍となった。
2020年新型コロナウイルスのパンデミックが発生したとき、HoneyBookのリーダーシップチームはビジネスへの潜在的な影響を懸念し、収益の減少に備えた。
解雇はせず、全員に賃金カットを打診した。経営幹部チームも同じで、残りのスタッフの「2倍」をカットした。
「恐ろしかったことを覚えています。顧客のビジネスが劇的に影響を受けると同時に、私たちのビジネスにも劇的な影響が及ぶことはわかっていました」とCEOのOz Alon(オズ・アロン)氏は振り返りる。「私たちはいくつかの難しい決断をしなければなりませんでした」。
だが、HoneyBookの顧客基盤の回復には、わずか数カ月後に従業員の給与を元に戻した同社自身でさえ驚いた。そして、新型コロナのパンデミックによる企業の一時解雇により、多くの人々が自身でビジネスを始めると決心したため、HoneyBookの需要は急増した。
「求めていたものを見つけ出したメンバーが、さらに別の需要を見出しました」とオズ氏はいう。その結果、HoneyBookのSaaSプラットフォームのメンバー数は2倍になり、過去12カ月間で年間経常収益(ARR)は3倍になった。メンバーによるプラットフォーム上でのビジネス取引額は、過去9カ月だけで10億ドル(約1090億円)を超えた。
HoneyBookは請求、契約、クライアントコミュニケーションなどのツールをプラットフォーム上で組み合わせ、ビジネスオーナーの管理業務支援を目標とする。創業以来、米国とカナダのグラフィックデザイナー、イベントプランナー、デジタルマーケター、写真家などのサービスプロバイダーがプラットフォームで30億ドル(約3270億円)以上のビジネスを展開してきた。パンデミックにより、多くの人々が多くのことをオンラインで行う動きの中、HoneyBookはメンバーをデジタルツールで武装させ、彼らがそれに適応できるよう支援してきた。

画像クレジット:HoneyBook
「クライアントは現在、合理化されたコミュニケーション、シームレスな支払い、そしてビジネスオーナーが対面で提供してきた優れたサービスを、同じレベルでオンラインで提供されたいと思っています」とアロン氏は話した。
オズ氏は、妻のナアマ氏と長年の友人であるDror Shimoni(ドロア・シモニ)氏とともにHoneyBookを創業した。オズ氏とナアマ氏はいずれも、かつて中小企業の経営者だったため、サービスベースのビジネスを運営する上での問題点について自らの経験に基づく洞察を持っていた。
HoneyBookのソフトウェアは、中小企業がビジネスを拡大するだけでなく「可能性を実際のクライアントに変える」のにも役立つ、とオズ氏は述べた。
「私たちは、彼らがビジネスを勝ち取ることができるよう、潜在的なクライアントとのコミュニケーションを助け、さらにクライアントをキープできるよう顧客管理を支援します」とナアマ氏は話した。
同社は、継続的な製品開発に向け新しい資本を使い、現在サンフランシスコとテルアビブのオフィスで合計103人の従業員数を「劇的に」増やすことを計画している。
「追加のサービスや製品に対するニーズが非常に大きいため、必ず投資をして、当社プラットフォームのメンバーがオンラインで自身をよく見せるもっと良い方法を開発したいと考えています」とアロン氏はTechCrunchに語った。「また、金融商品や資本へより迅速にアクセスできることに対するニーズも見られます。これらは私たちが投資する計画のほんの一部だと言えます」。
同社はまた、プラットフォームをさまざまな分野や業種向けに「カスタマイズ可能」なものにしたいと考えている。
Battery VenturesのゼネラルパートナーであるChelsea Stoner(チェルシー・ストーナー)氏は、スモールビジネスや起業家にサービスを提供する生産性ツールの広大な市場を「バラバラな生産性ツールの市場」だと認識していると語った。
HoneyBookは中小企業にとって真のプラットフォームであり「1つのまとまりのあるUXで膨大な数の機能を提供します」と同氏は話した。
「マーケティング資料の作成と配布から、提案の整理と実行、請求書の送信と支払いの回収に至るまで、ソロプレナーのすべてのタスクを統合して結びつけます。会社はメンバーに応えるため絶えず革新を継続しています。また、今後は支払いの分野に多くの機会があると見ています。そして、新型コロナその他の要因により、同社は成長をさらに加速させる需要を目の当たりにしています」とストーナー氏は語った。
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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Nariko Mizoguchi)


