韓国Kakao Entertainmentが連載小説アプリ「Radish」を約478.7億円で買収へ

連載小説アプリのRadishがKakao Entertainmentに4億4000万ドル(約478億7000万円)で買収されることになった。Kakao Entertainmentは韓国インターネット大手Kakaoの傘下で、Kakaoは同名のメッセージングプラットフォームなどを提供している。Radish創業者のSeungyoon Lee(イ・スンユン)氏はそのままCEOにとどまり、Kakao Entertainmentのグローバル戦略責任者も兼任して国際市場での成長を率いる。

Radishによれば、同社は北米に数百万人のユーザーがおり、Kakao Entertainmentがウェブトゥーンやウェブ小説事業を北米やその他の英語圏に拡大する上でプラスになるだろうという。Radishは今後もこのブランドのまま独立して運営される。

このニュースは、別の韓国インターネット大手のNaverがこちらも知的財産を主眼としてWattpadの買収を完了したのとほぼ同時に明らかになった。

2015年に創業したRadishはもともとユーザーが制作するコンテンツを扱っていたが、現在のビジネスの中心は同社のアプリに特化して作られた連載小説シリーズのRadish Originalsだ。同社によれば、2018年にスタートしたRadish Originalsが成長を牽引し、2020年の売上は前年の10倍以上だという。

Radishはマイクロペイメントシステムでコンテンツを収益化している。ユーザーはまず無料のエピソードをいくつか読むことができ、その後、20〜30セント(約22〜33円)で新しいエピソードを読める(1時間待って無料でエピソードを読むこともできる)。同社は売上のおよそ90%をRadish Originalsから得ている。

この買収によってRadish Originalsの知的財産をKakaoがウェブトゥーンやビデオなどのコンテンツに翻案してリーチを拡大できるようになる。2016年からKakao Entertainmentは「What’s Wrong with Secretary Kim?(キム秘書はいったい、なぜ?)」や「A Business Proposal」「Solo Leveling(俺だけレベルアップな件)」などのウェブ小説を、ウェブトゥーンなどのメディアに展開している。

イ氏はTechCrunchに対し、RadishはKakao Entertainmentで人気を博している「What’s Wrong with Secretary Kim?」などのオリジナルシリーズ数本の独占配信を2021年4月に開始したと述べた。RadishはKakao Entertainmentのコンテンツを他にも配信する計画で「Kakaoの人気ストーリーをローカライズしたオリジナル小説を制作する方法も検討しているところです」と付け加えた。

報道発表の中でKakao EntertainmentのCEOであるJinsoo Lee(イ・ジンス)氏は「Radishは業界をリードするウェブ小説プラットフォームをしっかりと確立し、我々はさらに大きな成長の可能性があると見ています。知的財産ビジネスにおけるKakaoの専門性とRadishが北米で持っている強固な足がかりによってこれから協力して達成できる成果を楽しみにしています」と述べた。

Radishの取締役会が買収を承認した。Radishの取締役会には、同社の最大の投資家であるSoftBank Ventures Asiaからの代表者や株主の大半が含まれている。Lowercase Capital、K50 Ventures、Nicolas Bergruen(ニコラス・バーグルエン)氏、Charlie Songhurst(チャーリー・ソンハースト)氏、Duncan Clark(ダンカン・クラーク)氏、そしてベストセラー作家のAmy Tan(エイミ・タン)氏などもRadishを支援している。

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画像クレジット:Radish

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(文:Catherine Shu、翻訳:Kaori Koyama)