アップル製デバイス管理のJamfがゼロトラストセキュリティのWanderaを約435.2億円で買収

米国時間5月11日のマーケット終了時に、エンタープライズ向けにApple(アップル)製デバイスの管理ツールを提供するJamfが、ゼロトラストセキュリティスタートアップのWanderaを4億ドル(約435億2000万円)で買収することを発表した。今回の買収はJamfにとってこれまでで最大規模となる。

JamfはApple製デバイスを管理する一連のサービスを大規模組織のIT部門に提供している。同社はこの市場のリーダーで、Wanderaの買収でこのプラットフォームに欠けていたモダンなセキュリティレイヤーが加わる。

JamfのCEOであるDean Hager(ディーン・ヘイガー)氏は、WanderaのゼロトラストのアプローチはJamfプラットフォームのツールセットにおける重要なピースになると語る。ヘイガー氏は発表の中で「WanderaとJamfの連携により、Apple製デバイス全体にわたってデプロイメント、アプリケーションのライフサイクル管理、ポリシー、フィルタリング、セキュリティ機能を1カ所で扱えるプラットフォームをお客様に提供し、同時にすべてのモバイルワーカーを対象とするゼロトラストネットワークアクセスを導入します」と述べた。

ゼロトラストとはその名の通り、ネットワークの中にいるか外にいるかにかかわらず誰も信頼しないというセキュリティのアプローチだ。全員が必ず複数の認証方法で自分のアイデンティティを証明してからでなければ、企業のリソースにアクセスできない。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により従業員が家で働くことが増え、どこからでもアプリケーションなどの企業のリソースにアクセスできるようにしなくてはならなくなったことから、ゼロトラストの必要性はさらに高まった。この傾向はコロナ禍の前からあり、コロナ禍が収束した後も続くだろう。

ロンドンに拠点を置くWanderaは、2012年にRoy Tuvey(ロイ・タヴィー)とEldar Tuvey(エルダー・タヴィー)の兄弟が創業した。2人はかつてウェブゲートウェイの保護をサービスとして提供するScanSafeというセキュリティスタートアップも創業し、2009年に1億8300万ドル(約199億1000万円)でCiscoに買収された。2人はこれまでにWanderaの資金としてBessemer Venture Partners、83North、Sapphire Venturesなどから5300万ドル(約57億6600万円)以上を調達した。

Sapphireの共同創業者でマネージングディレクターのAndreas Weiskam(アンドレアス・ワイスカム)氏はWanderaについて次のように述べた。「私はここ数年、共同創業者(であり兄弟)のエルダー・タヴィー氏、ロイ・タヴィー氏と連携できることをうれしく思ってきました。2人は優れた起業家でありリーダーで本物の企業をつくっていると心から言えます」。

さらに同氏は「2人は重要性を増すゼロトラストネットワークを利用してモバイルの脅威に対処するユニークなセキュリティ製品を開発しました。Jamfファミリーに加わることで、2人はゼロトラストクラウドの未来をつくっていくでしょう。これは顧客、特にAppleのエコシステムを利用する顧客にとって大きなメリットであることはいうまでもありません」とも述べた。

買収の条件として、JamfはWanderaに3億5000万ドル(約380億8000万円)を現金で支払い、その後2021年10月1日と12月15日にそれぞれ2500万ドル(約27億2000万円)を支払う。当局の審査を通れば買収は第3四半期に完了する見込みだ。

カテゴリー:セキュリティ
タグ:Jamf、Wandera、買収、ゼロトラストモデル

画像クレジット:Vladimir Zlotnik / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Kaori Koyama)