ハーバード大のコンピューターサイエンス入門講座・プログラミング講座が日本語化・無償公開
プログラミング学習サービス「CODEGYM」を提供するLABOTは5月13日、ハーバード大学がオンラインで無償公開しているコンピューターサイエンスの入門講座「CS50: Introduction to Computer Science」、プログラミング学習講座「CS50’s Web Programming with Python and JavaScript」を日本語に翻訳したサイト「CS50.jp」を開設した。クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CC BY-NC-SA 4.0)に基づき公開しているもので、個人利用、また非営利に限って教材として利用できる。
同講座は、ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学が共同で設立したオンラインコースプラットフォーム「edX」上で公開されているもの。edXの人気コンテンツの1つとして、教育機会へのアクセスを求めている、全世界の282万人のユーザーが履修登録しているという。
ただ、edXには世界中の大学から質の高い授業が集まっているものの大半が英語ベースであり、英語による大学レベルの授業を理解できる方しかメリットを享受できていなかった。
そこでLABOTでは、コロナ禍など大学キャンパスの環境が不安定な中で、経済的事情や家庭環境に関わらず、多くの「学びたい意欲のある学生」が、良質な教材に母国語でアクセスできるようにしたいという想いで、CS50が定めるクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CC BY-NC-SA 4.0)に準拠する形で日本語版の翻訳作業を進め、日本語版コンテンツのすべてを無償公開した。
CC BY-NC-SA 4.0は、元のコンテンツを複製・頒布・展示・実演などを行うにあたり、著作権者の表示が必要なほか、非営利目的での利用に限定している。また元コンテンツを改変・変形・加工してできたものについても、同ライセンス(CC BY-NC-SA 4.0)を継承させた上で頒布を認める内容となっている(詳細は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのサイトを参照)。
またLABOTでは、コロナ禍においての学び・進路などに影響を受けた最大1000人の高校生・大学生に対し、非営利でのプログラミング教育を行うプログラム「CODEGYM Academy 2021年コロナ学生緊急支援」を発表しており、2021年5月15日に同教材を用いた初回授業を実施する。
2019年7月創業のLABOTは、「人の可能性に投資する」というミッションを掲げるスタートアップ。2020年1月に日本国内で初めてISAを採用した、コンピューターサイエンス・プログラミングスクール「CODEGYM ISA」を開校した。ISAとは、「Income Share Agreement」(所得分配契約)の略称にあたり、在学中は学費の支払いが不要で、就職後に決定した年収に連動し支払額が決定する契約方法となっている。
同社は、家庭環境・学歴・年収などによらず、誰もが平等に挑戦できる教育機会の提供を目指し、事業を展開している。
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・ハーバード大とMITがコースをオンラインで提供するedXプロジェクト