グーグルが次世代カスタムAIチップ「TPUv4」を発表、1ポッドでエクサフロップ以上の処理能力
Google(グーグル)は米国時間5月18日のI/Oデベロッパーカンファレンスで、同社のカスタムTensor Processing Units(TPU)AIチップの次世代バージョンを発表した。これは同チップの第4世代で、前世代の2倍の速さだとGoogleはいう。GoogleのCEOであるSundar Pichai(サンダー・ピチャイ)氏は、チップはv4 TPU 4096基を組み合わせたPod(ポッド)として使用すると述べた。1つのポッドで1エクサフロップ以上の処理能力を持つ。
もちろんGoogleはこのカスタムチップを使って同社のさまざまな機械学習サービスを動かすが、さらにこの最新世代をGoogle Cloud platform(グーグル・クラウド・プラットフォーム)の一部としてデベロッパーにも利用できるようにする。
「これはこれまでにGoogleが展開した最速のシステムで、当社にとって歴史的な出来事です」とピチャイ氏はいう。「これまでエクサフロップを得るためにはカスタムスーパーコンピューターを作らなければなりませんでしたが、当社はすでに数多くを展開しています。近々数十機のTPUv4ポッドを当データセンターに配置する予定で、その多くが90%近いカーボンフリーエネルギーで動作します。そしてこのTPUv4ポッドは2021年中に当社のクラウド利用者にも提供します」。
TPUはGoogle初のカスタムチップの1つだ。Microsoft(マイクロソフト)をはじめとする他社がより柔軟性の高いFPGAを機械学習サービスに採用したのに対し、Googleは早い時期にこのカスタムチップに賭けた。カスタムチップの開発には少々時間がかかり、テクノロジーの変化とともにすぐ時代遅れになるが、著しく優れた性能を発揮する。
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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Google、Google I/O 2021、プロセッサー、二酸化炭素、機械学習
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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Nob Takahashi / facebook )