競技プログラミングコンテスト「AtCoder」アルゴリズム実技検定初の公式テキストが登場
競技プログラミング(競技プロ)コンテストを運営するAtCoderは2月25日、同社が定期開催している「アルゴリズム実技検定」初の公式テキスト「アルゴリズム実技検定公式テキスト[エントリー〜中級編]」が、マイナビ出版より発売されると発表した。発売日は2月27日で、価格が税込3828円。著者は岩下真也氏と中村謙弘氏。AtCoder代表取締役社長の高橋直大氏が監修を行っている。
- 書名:アルゴリズム実技検定 公式テキスト[エントリー~中級編]
- 監修者:高橋直大氏
- 著者:岩下真也氏、中村謙弘氏
- 価格:税込3828円
- 判型:B5変形判384ページ
- ISBN:978-4-8399-7277-6
AtCoderのアルゴリズム実技検定(Practical Algorithm Skill Test, PAST)は、「アルゴリズムをデザインし、コーディングする能力」(一からプログラムを作成する能力)を問う、実践を想定した日本初の検定。「知識型ではない」「受験者が得意なプログラミング言語を選べる」「アルゴリズム設計力・実装力を図る」という3点の特徴により、従来定量的な把握が難しかったプログラミング能力を評価することが可能となったという。
アルゴリズム実技検定公式テキスト[エントリー〜中級編]は、アルゴリズム実技検定初の公式テキストにあたり、同検定で設けられている5ランクのうち「エントリー」「初級」「中級」の出題範囲を網羅的に解説している。プログラミングの基礎知識から、各種アルゴリズムの解説、数学的な問題解決方法まで、アルゴリズム実技検定に限らずソフトウェアエンジニアに要求される知識を盛り込んだとしている。
書籍内容
- 1章:アルゴリズム実技検定の挑戦にあたって
- 2章:問題の解き方
- 3章:アルゴリズムとコーディング
- 4章:Pythonを使ったプログラミング[エントリー編](標準入出力、if、for、簡単な数学的問題)
- 5章:基礎的なアルゴリズム[初級編](二次元配列、各種探索、再帰、数学的な問題)
- 6章:応用的なアルゴリズム[中級編](各種探索、各種順列、動的計画法、メモ化再帰、計算量改善テクニック、累積和、グラフアルゴリズム)
- 7章:さらなる得点を狙うために
第6回アルゴリズム実技試験を4月10日に実施
またAtCoderは、4月10日に第6回アルゴリズム実技試験を実施する。リアルタイム受験の場合は4月10日13:00〜18:00(5時間)で試験を終える必要がある。通常受験の場合は、4月10日18:00〜4月24日12:59の間に試験を開始可能。ただしこちらも、受験開始時刻から5時間以内という条件がある。
問題数は15問で、点数は100点満点。点数配分は、1問目=9点、2~3問目=8点、4~6問目=7点、7~15問目=6点。また点数に応じて獲得できるランクは、エントリー(25~39点)、初級(40~59点)、中級(60~79点)、上級(80~89点)、エキスパート(90~100点)の5段階。
問題を解くために利用できるプログラミング言語はC、C++、C#、Elixir、F#、Go、Java、JavaScript、Python、Ruby、Rust、Swift、TypeScriptなど。開発環境、エディター類は自由。コンテスト中の自作ライブラリーの使用、インターネットでの検索も認められている。詳細は「ルール」ページを参照してほしい。
- 試験名称:第6回アルゴリズム実技検定(Practical Algorithm Skill Test。PAST)
- 開催日時:リアルタイム受験の場合は4月10日13:00〜18:00。通常受験は4月10日18:00〜4月24日12:59(受験開始時刻から5時間)。
- 受験方法:オンライン受験。AtCoderIDを使用し、自宅・職場など場所を選ばず受験可能
- 試験結果:点数・ランクとして試験終了後に即時発表
- 受験費用(一般):税込8800円/人
- 受験費用(団体):30名以上は税込7040円/人。100名以上の場合は税込6160円/人
- 主催・運営:AtCoder
AtCoderは、日本最大級の競技プログラミングコンテストサイト「AtCoder」を運営。20万名超(うち日本人は11万名以上)が参加登録し、毎週開催される定期コンテストには約1万名以上が挑戦するという。
その他にも、高度IT人材採用・育成事業として、コンテスト参加者の成績を8段階にランク付けした「AtCoderランク」を利用する転職・求職支援サービス「AtCoderJobs」や、IT人材のプログラミングスキルを可視化できる検定「アルゴリズム実技検定(PAST)」といったサービスを展開している。
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