Apple Musicがロスレス・空間オーディオを2021年6月から提供、追加料金なし

Apple(アップル)は、同社の音楽ストリーミングサービス「Apple Music」にいくつかの新機能を追加することを発表した。2021年6月からユーザーは、ロスレスオーディオファイルに加え、Dolby Atmos(ドルビーアトモス)に対応した空間オーディオなど、いくつかの新しいオプションを利用できるようになる。

Spotify(スポティファイ)は最近、CD並みの音質のロスレスオーディオファイルを提供するハイエンドのサブスクリプションを新たに発表した。しかし、Spotify HiFiはそれだけではSpotify Premiumに含まれない。ロスレスオーディオをストリーミングするには、もう少しお金を払う必要がある。価格設定はまだ公開されていない。

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Appleの動きは少し違っており、ロスレスオーディオはApple Musicのベーシックなサブスクリプションに含まれることになるという。月額9.99ドル(日本では税込980円)で、さまざまなオーディオ品質の設定を選択できるようになる。デフォルトでは、Appleや他のストリーミングサービスはオーディオファイルを圧縮し、多大な帯域幅を必要としないようにしている。

また、CD品質のロスレス・ストリーミング(44.1kHz/16bit)も選択できる。この場合、受信するオーディオファイルはロスレスになる。舞台裏では、Appleが独自のロスレスオーディオフォーマット(ALAC、Apple Lossless Audio Codec)を使用している。しかし、それがFLACであれWAVやALACでであれ音はまったく同じなのと同様、ロスレスオーディオには変わりないので影響はないはずだ。

もし、あなたが本当に無制限のモバイルプランを利用しているなら、48kHz/24bitや192kHz/24 bitを選択することも可能だ。その場合、1曲の平均的な重さは250MB程度になると予想される。確かに、これはかなりのデータサイズ。Appleによると、ハイレゾロスレス層のメリットを得るは、外付けのUSBデジタル-アナログコンバータ(USB-DAC)を使用する必要があるという。iPhoneにただヘッドフォンを接続するだけでは不十分ということだ。

サービスが開始されると、Apple Musicのカタログ全体(7500万曲)がロスレスオーディオに対応する。音楽配信事業者はストリーミングサービスに楽曲を提供する際、すでにロスレスオーディオファイルをアップロードしている。ロスレスオーディオを追加することは、それらのファイルをエンドユーザーに見せることに他ならない。

空間オーディオについては、H1またはW1チップを搭載したAirPodsやBeatsヘッドフォンなど、ドルビーアトモスに対応したハードウェアでは、デフォルトで有効になる。また、iPhone、iPad、Macの最新モデルもドルビーアトモスに対応している。しかし、ドルビーアトモス専用にそれぞれの曲をリマスタリングする必要があるようだ。

最初は「数千の楽曲」のみが空間オーディオに対応する。アーティストは、J Balvin(J・バルヴィン)、Gustavo Dudamel(グスターボ・ドゥダメル)、Ariana Grande(アリアナ・グランデ)、Maroon 5(マルーン5)、Kacey Musgraves(ケイシー・マスグレイヴス)、The Weeknd(ザ・ウィークエンド)などが含まれる。これらの曲は、ユーザーインターフェースのバッジで識別できるようになる。

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画像クレジット:TechCrunch

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(文:Romain Dillet、翻訳:Aya Nakazato)